――ひねりが足りんな。

 すると、店主がこちらを向いてこう言った。
 「ひねりだって…? そうそう、キューブの向きのことをまだ考えてなかったな」

 ――ここに書いたことがそのまま聞こえているのか? 一体どうなっているんだ?

 「今さら何を言ってるんだ。そんなところに突っ立ってないで、あんたも少し手伝ってくれよ」

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 ――ここまで出来たら、展開図を表示するのは簡単に追加できる。とは言っても、けっこう面倒臭い作業になるから後回しにして…。その前に、小キューブの“ひねり”をもっとスマートに算出する方法を考えてみようかと思うんだけど。

 「じゃ、展開図の部分は、僕がやっとくよ。この表示データから変換するだけでいいんだろ」
 そう言って、店主は前回の囲み部分をコピーしようとした。

 ――ちょっと待った。向きのデータを追加するから、こっちの方を使ってくれよ。

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 ――その次の夜、語り姫は話の続きを語った。

 おお、幸多き王様、第一の鼠はこのように語ったのです。

 ある研究施設の実験で鼠に移植された私の脳は、来る日も来る日も繰り返される迷路の実験に飽き飽きしていました。(こんな単純な迷路なんて、ちっとも面白くない)と、私は思いました。すると、私の脳の中で、こんな声が聞こえました。
 (ねずみさん、ねずみさん)
 それは、私が迷路の中で餌の在りかを捜していると、ときどき私の脳に直接聞こえてくる声でした。
 (わたしがもっと楽しいところに連れて行ってあげるわ)
 (本当に?)
 (本当よ)
 その声の主は、頭の中で私のいる迷路の壁に穴を開け始めました。すると、現実の迷路の壁に穴が開きました。
 (一体どうなっているんだ、この世界は……)
 私は吃驚仰天して、気を失ってしまいました。

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 ――店の奥で仮眠していた店主が、突然飛び起きて叫んだ。

 「そうか、キューブの中に入って考えればよかったんだ!」

 ――いったい、どうしたんだ?

 「どうもこうも、キューブの中に鼠が入ってマッピングしてるんだよ!」

 ――何を言ってるんだ、夢でも見たのか?

 「夢? そうか、今のは夢だったのか…。夢中で考えていたから夢の中でも考え続けてたんだな。うん、これは論理的だ。ちゃんと筋が通っているぞ」

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 ――店主がフリーズしている間に、僕はもう一度考えてみた。小体(小キューブ)の向きの変化が回転によって生じることは間違いない。しかし、その状態をX・Y・Zの各軸での回転数(以下、右回りの90度を“1ひねり”と書くことにする)だけで表現することは無理なようだ。
 例えば、(i, j, k)=(1, 1, 0)は、X軸で1ひねり、Y軸で1ひねりしたことを表わしてはいるけれども、その結果、小体の向きがどうなるかが特定できないのだ。X軸とY軸のどちらで先にひねるかによって向きが異なってしまうからだ。これは、個別の小体の“主観的”な座標で考えても全体の“客観的”な座標で考えても同じことだ。

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 きょうは「まんがうりのしょうじょ」というおはなしをべんきょうします。では、かずしげさん、よんでください。

 寒い寒い大晦日の夜のことです。一人の少女が街角でマンガを売っていました。

 はい。よくよめましたね。かんじとかかたかなのところも、ちゃんとよめたのはえらいです。みなさんも、かずしげさんのように、しっかりよしゅうしてくださいね。

 いきなり、むずかしいことばがたくさんでてきました。「おおみそか」というのはいちねんのいちばんおわりのいちにちのことです。「しょうじょ」というのは、えっちとかへんたいとかいうことをしたりされたりてはいけないひとのことです。「えっち」とか「へんたい」とかいうことばは、このまえべんきょうしましたから、みなさんおぼえていますよね。そうです。みなさんがしてはいけないし、かんがえたりしてもいけないことです。むかしはそういういけないことをかいたほんがたくさんありました。そうです「まんが」ですね。だから、このしょうじょはいけないものをうっているいけないひとなのです。

 では、かずしげさん、つづきをよんでください。

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あけお あけおめー。

ことよ ことよろー。

あけお そんなわけで、ぼくが新年あけお。

ことよ そして、わたしはあけおの嫁のことよちゃんです。ウサギ年生まれの12歳です、びょん。

あけお そうそう、ことよちゃんは今年、年女ですねー。

ことよ あけおさん、あけおさん。

あけお はいはい、何ですか。ことよちゃん。

ことよ あなた、また突っ込み忘れてますよ。

あけお ああっ、しまった。そうでしたか。

ことよ もう、しっかりしてくださいよ。

あけお ごめん、ごめん。すぐに突っ込みますから、ちょっと待っててくださいね。

(短い間)

あけお いくら何でも、12歳はないでしょう、ことよちゃん。

ことよ 遅いですっ。

(短い間)
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 むかし、むかし、あるところに、桃太郎のおばあさんが、ひとりぼっちですんでいました。

 桃太郎は「また鬼退治に行く」と言って電鉄に乗って旅立ったきり一度も帰って来ないし、おじいさんも、隣りのきびだんご屋の強欲じいさんと商標権を巡って争っているうちにポックリと旅立ってしまいました。

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放映前のシナリオ(想像)

老作家: えっ、じゃあ「犬をけしかける少女」は? 映画にもなったんだけど…。

土曜日の原作者(偽文士日碌

原作者: 〔…〕何しろ七瀬のお手伝いに行った先が作家の家で、この作家先生がぼろくそに書かれていた。「犬をけしかける少女」というのを書いて没になるなど、ひどいものだ。「先生のことではありません」と抗弁してきたものの、作家の権威を守るのは長老の義務である。撮り直しと決ったものの、どうしていいかわからなくなったらしいので「作家」を「脚本家」にすればいいと入れ知恵して、〔…〕

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 昔、とてもアホな娘がおりました。びっくりすると、じょじょじょーっとおもらしをしてしまいます。

「そうや、海の中ならバレへんやろ」

 その日から娘は海の中で暮らすことにしました。

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