2009年4月アーカイブ

お爺さんとお婆さんと柴刈機と洗濯機と桃太郎と金太郎と鉞と銀の斧と女神と悪魔と雷神と凧と涙と青鬼と金棒と錫杖と矛と盾と嘘吐きと詐欺師と山師と山姥と御札と結界と堤防と親指姫とお椀と針 と茨と薔薇と桜と死体とゾンビと妖怪と吸血鬼と妖精と洞窟と尖塔と空飛ぶ絨毯と魔法のランプと魔神 と巨人と小人と馬と茹で卵と金の卵と銀の弾丸と鉄砲と猟師と赤頭巾と子ヤギと子羊と葡萄と狐と麦と豆の木と雌鶏と犬と猫と鼠と笛吹きと機織りと石臼と栗と蟹と泡と毒と林檎と鏡と櫛と弓と扇子と天狗とカラスと河童と兎と鮫と狸と狼と少年と乞食と王女と継母と美女と野獣とライオンと蟻と 驢馬とキリギリスと駱駝と白鳥とアヒルと熊とミツバチと蜘蛛と風車とカボチャと馬車と靴と草鞋と蓑と笠と地蔵と仏像と銅像と石碑 と立札と橋と弁慶と鶴と亀とアキレスと忍者とツバメと梟と呪文と盗賊と風呂と下駄と旅人と画家と線路と機関車と煙と雲と北風と月と砂漠と異教徒と猿と坊主と屏風と虎とバターと鯨と緑の豆とおかめと間男と不眠症と姫と浦島太郎と箱と探偵とスパイと 胡椒と珈琲とチーズと坂道とおむすびとサンドイッチといかさまと土左衛門と無人島と恐竜と化石と財宝と海賊と大統領と狙撃者と乳母車と厩と藁と案山子と虹と自転車と池と蛙と埴輪と土偶と泥舟と奴隷船と大砲とテロと死 神と蝋燭と花火と鞄と娘と人参と蓮根と拳銃と金庫とトンネルと迷路とドラゴンとその他の人物・動植物・無生物・キャラクター・団体・組織・事件が登場する原典が全て実在しているとは限りません。

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 昔、昔、ある国に、新しい服が大好きで、馬鹿な王女さまがいました。

(中略)

 ある日、世にも不思議な布地を仕入れたと街で評判になっている仕立て屋が、お城にやって来ました。

(中略)

 さて、新しいドレスができたので、王女さまはよろこんで、さっそく試着しました。ところが、馬鹿な王女さまにはドレスが見えません。

(中略)

 とうとう、パレードをする日になってしまいました。王女さまは、屋根のない馬車のお立ち台にのって、人びとが集まった街道を、隣の国まで、はだかで行進しなければなりません。

(中略)

 どうやら、人びとの目には王女さまのドレスが見えているようです。あの仕立て屋の不思議な布地の噂は本当だったのです。

(中略)

 ところで、隣の国に、ハンスという馬鹿な青年がいました。なぜか自分は王子だと思い込んでいて、白タイツ姿で日がな一日街中をうろついているのです。

(中略)

 いつものようにハンスが街を巡回していると、隣の国の王女さまのパレードがやって来ました。

(中略)

 「あーっ、王女さまは、すっぽんぽんの丸裸だー!」
 ハンスがそう叫ぶと、集まっていた男どもは一斉に自分の頭をぶん殴り始めました。

 一方、その声を聞いてはっとした王女さまは、お立ち台から素早く飛び降りて、ふらふらしながら群がってくる馬鹿な男どもをかきわけて、ハンスの元へと駆け寄りました。
 「あなたは、ハンス王子!」
 王女さまの一声で、馬鹿のハンスにかかっていた呪いがとけて、元の凛々しいハンス王子に戻りました。こうして再会をはたした二人は、しっかりと抱き合います。

 「ハンス王子! 会いたかった!」
 「僕もだよ!」と、ハンス王子が思わずモッコリすると、
 「ハンスの馬鹿!」と、王女さまは思いっきりハンス王子を張り倒しました。

 敷石に頭をぶつけたハンスが立ち上がると、その姿はまさに白馬に乗った王子さま。いつの間にか人びとが遠巻きにして固唾をのんで見守っています。

 しかし、ハンスは再び馬鹿になっていたので、その場で王女さまを、押した!押した!


〔付記〕うろ覚えの「はだかの王女さま」を改稿・改題しました。

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 昔、昔、ある森に、シンドラとサンドラという双子の魔女がいました。

 ある夜、シンドラが金貨を数えていると、魔法の鏡から、怪鳥の鳴き声のような笑い声が聞こえてきました。

 「何や、こんな時間に…」と、シンドラが鏡を見ると、そこにはサンドラの顔が映っています。
 「あんたの呪い、また解けてもうたで」と、鏡の中からサンドラの愉快そうな声が返ってきました。
 「何やて?」
 「あのアホにした何とかいう王子、元に戻りよった」
 「えっ? アホ王子ゆうたらハンスのことか?」
 「そやそや」と、サンドラは、ハンス王子の映像を魔法の鏡に送ってきました。
 「あーっ。こいつ、いつの間に。下半身丸出しやないか!」
 「そやから白馬を白タイツなんかに変えるなっちゅうたんや」
 「なんや、この裸の女は!」
 「隣の国のお姫さまや。ははー、おまえにも裸に見えるか?」
 「よー見えとるで。素っ裸やん」
 「そら、そうやろな。わしが作ったアホには見えん服、着とるんや」
 「何やと!」
 「見てみい、張り倒されとるで!」
 「あー、立ち上がった!」
 「押したで!」
 「また押した!」
 「押すだけかいな」
 「アホやな、こいつ」
 「アホや」
 「もともとアホやったんかいな」
 「そやな」

 鏡の中のサンドラの声が消えると、シンドラはアホな人間どもから魔法で取り出した金貨をもう一度数え直しにかかりました。一方、サンドラは、今日の自分の活躍を魔法の鏡に映し出させて、朝までずっと見入っていました。

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 今が昔になってしまった未来のお話です。

 あるとき、ある海岸に、一人の不審な老人が現われました。通報を受けた民間警察官がすぐに駆けつけました。

 警察官が氏名を尋ねると、老人は「ウラシマタロー」と名乗りました。ここで何をしているのかと尋ねると、「カメをタスけて、リューグージョーへイって、カエってキたら、みんないなくなっていた」などと意味不明のことを言っています。

 老人が大事そうに抱えている不審な箱のことを尋ねると、「オトヒメサマからもらったタマテバコだ」という返事で、どうも要領を得ません。そこへ、目撃者の話を聞いていたもう一人の警察官が戻って来ました。
 「モクゲキシャのハナシでは、ジーさんがそのハコのフタをアけたときにシロいケムリのよーなモノがデていたそーです」
 「そーか。それはヤッカイだなー」

 老人は近くの支店まで連行されて、手順通りの取り調べを受けました。

  •  IDカードを所持していない
  •  DNA照会の結果、行方不明者のリストにも全ユーザーリストにも該当者はなく、六親等以内の血縁者もいない
  •  所持していた箱は爆発物ではなく、中の気体は無害である
  •  声紋解析の結果、古代語に特有の訛りがある

 以上の状況証拠を公開したところ、数分後に検察員が集まり、形式的な会議を経て「航時法違反容疑で逮捕・起訴・有罪」との結論に達しました。

 航時法違反といえば殺人と並ぶ重罪です。状況証拠だけで有罪に持ち込めるのかという疑問も出ていましたが、ある検察員が「フタをアけたらシロいケムリのよーなモノが」で検索して、昔の判例を発見したのが決め手になったというお話です。

 「ウラシマタロー」を検索した人がいなかったのは、本当に残念なことですね。

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 ある日、浴場で湯に浸かっていた一人の男が、突然叫び声をあげた。男は裸で道を走り、そのまま王宮に駆け込もうとした。

 門番に見咎められた男は、「ついに発見したぞ! 発見したんだ!」と意味不明のことを口走るばかり。そこへ、怒りっぽいことで有名な大臣が通りかかる。

 「何の騒ぎだ? 裸で騒ぐとは、最低の人間だな!」
 「最低とは失礼な。わたしはアルキメデスだ!」
 「最低で最悪の行為だったに訂正します」
 「何をごちゃごちゃ言っとるか。早くヘロデ王に会わせろ。王冠の真贋を見抜く方法を発見したんだぞ」
 「何だ、そうでしたか。それを早く言ってくださいよ」

 こうして、アルキメデスと大臣の二人が玉座の間の前までやってきた。
 「しかし、やはり裸のままで謁見するというのはいかがなものかと…」
 「あっ、しまった! ひとっ走りして取ってくる」
 「いえいえ、わたしが参りましょう。しばしお待ちを」

 大臣は走り始めた。しかし、なかなか王宮の外に出られない。なぜならば、一番外側の門にたどり着くまえに、中間地点の門をくぐらなければならず、中間地点の門にたどり着くには、そのまた中間の門を…。

 「遅いな」と、アルキメデスが痺れを切らして大臣を追いかけ始める。しかし、なかなか大臣に追いつけない。なぜならば、追いかけ始めたときに大臣がいた地点にアルキメデスが着いたときには、大臣はそれより先に進んでいて、その地点にアルキメデスが着いたときには、大臣はさらにまた進んでいて…。

 この話は、細かいことにこだわると歴史的な偉業が台無しになることを示している。

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 ある村に、嘘つきの少年がいた。

 ある日、少年が「娘が来たぞ! 若くてきれいな娘が来たぞー!」と叫ぶと、村中の男たちが目の色を変えて飛び出して来た。それが面白くてたまらず、何度も同じ嘘を繰り返した。

 男たちは、どうせまた嘘だろうと思いながらも、ひょっとすると今度こそ本当かもしれないぞ、という本能の声には逆らえず、何度も同じ嘘にひっかかっていた。

 そういうことが何度も続くうちに、さすがにだまされる男の数も減り、少年は次第に誰からも相手にされなくなっていった。

 そんな、ある夕暮れのこと。少年の体に異変が起こった。嘘ばかりついていた報いで、とうとう娘の体になってしまったのだ。少年は叫んだ。

 「イヤァァァァァァァン!」

 妙に艶めかしく、どこか懐かしい娘の声が村中に響き渡ると、矢も楯もたまらくなった男たちが、ぞろぞろとやって来た。

 暗くなりはじめた空では、上弦の月が妖しく輝いている。

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