昔、むかし、ある山に、禁太郎という男がいた。禁太郎は、小屋に籠ってゲームをやったりテレビを見たりして暮らしていたが、さすがに退屈になってきた。
ある日、ビンテージ物の真っ赤な腹掛けを着た禁太郎が久しぶりに小屋の外に出たところ、どこからか「ケシカラン、ケシカラン」という野太い声が響いてきた。あたりを見回すと、目の前の地面に大きな穴があいている。どうやら、この穴の中で誰かが叫んでいるようだ。
禁太郎が恐る恐る覗き込んでみると、穴の底に大きな熊が座っていて、映りの悪いテレビに向かって罵声を浴びせていた。
「まったくケシカランやつだな、この鹿野郎!」
何だよ、このタイミングでその話かよと思ったが、こうなったら仕方がない。禁太郎は、穴の底にいる熊に向かって声をかけた。
「おーい、熊くーん」
しかし、熊は急に黙り込んでテレビをじっと見ているだけだ。
「そのケシカラン鹿を、やっつけに行こうよー」
しかし、熊は無視し続けている。そこで、禁太郎は腹掛けの中から取り出した棒を熊に向かって投げ落とした。棒は熊の頭に命中し、熊は思わず「痛いな!」と叫んで上を睨んだ。
「ごめーん。それはー、僕が作ったー、禁太郎飴だよー」
熊はそっぽを向いた。
「その切り口をー、よく見てごらーん。僕の顔が描いてあるだろー? ほっぺたのところにはねー、ハチミツが入っているんだよー」
「それを早く言えよ」
熊は、急いで禁太郎飴を拾って、口に入れた。
「どうだーい、ほっぺたがー、とろけるだろー?」
ガリガリと噛み砕いてあっと言う間に平らげた熊は、禁太郎を見上げてこう言った。
「おまえはー、いいやつだなー。もう一本くれーっ」
こうして、禁太郎は熊にまたがって、ケシカラン鹿を退治する旅に出た。はたして、禁太郎は、ケシカラン鹿を打ち倒すことができるのだろうか? はたまた、今ごろ出発して本当に間に合うのだろうか? 次回、「禁太郎と岩山の猿」に続く。

をを!
ほっとな話題の シカ と くま ですね。。。。
USでは6月12日でしたっけ?
展開が楽しみです!!
無風凧さんへ
あの鹿、結構しぶといですね。2011年7月まで居座るつもりでしょうか…。(笑)