マンガ売りの少女

 きょうは「まんがうりのしょうじょ」というおはなしをべんきょうします。では、かずしげさん、よんでください。

 寒い寒い大晦日の夜のことです。一人の少女が街角でマンガを売っていました。

 はい。よくよめましたね。かんじとかかたかなのところも、ちゃんとよめたのはえらいです。みなさんも、かずしげさんのように、しっかりよしゅうしてくださいね。

 いきなり、むずかしいことばがたくさんでてきました。「おおみそか」というのはいちねんのいちばんおわりのいちにちのことです。「しょうじょ」というのは、えっちとかへんたいとかいうことをしたりされたりてはいけないひとのことです。「えっち」とか「へんたい」とかいうことばは、このまえべんきょうしましたから、みなさんおぼえていますよね。そうです。みなさんがしてはいけないし、かんがえたりしてもいけないことです。むかしはそういういけないことをかいたほんがたくさんありました。そうです「まんが」ですね。だから、このしょうじょはいけないものをうっているいけないひとなのです。

 では、かずしげさん、つづきをよんでください。

「誰かマンガを買ってください。わたしが描いたマンガです」

 少女の声を耳にした人々は、みんな目をそらして足早に通り過ぎて行きます。

 このしょうじょは、まんがをうってるだけではなくて、じぶんでかいているので、とってもいけないひとですね。もちろん、まちのひとたちが、そんなとってもいけないしょうじょがうっているいけないまんがなんか、かうはずはありません。いいきみです。

 突然、冷たい北風が襲いかかって、少女の描いたマンガの本を全部吹き飛ばしてしまいました。

「あああっ、わたしのマンガがーっ」

 叫び声に驚いて、街の人々は少女の方に目を向けましたが、スカートの裾が捲れ上がっていたので、あわてて目を背けました。

 はいはいはいはい、みなさん、しずかにしてください。しずかにっ。そうです、そうです。「ぱんちら」は、ぜったいにいけませんね。でも、とってもいけないことをしているしょうじょの「ぱんちら」ですから、ざまあみろですね。

 はいはいはいはい、みなさん、しずかにしてください。しずかにっ。そうです、わかってます。「ざまあみろ」はいけないことばでした。せんせいはついうっかりくちをすべらせてしまいました。いけないせんせいでした。でも、「ぱんちら」をみなかったまちのひとたちはえらかったですね。みなさんも「ぱんちら」は、ぜったいにみてはいけませんよ。

 少女は、冷たい舗道のうえにぺったりと座って、しくしく泣きはじめました。

「なぜ泣いているのかね」

 少女が顔を上げると、目の前に、外套を着た怪しいおじさんが立っていました。

 はい、またちょっとむずかしいことばがでてきましたね。「がいとう」というのは、えっちなことをするへんたいがきているふくのことです。つまり「がいとうをきたあやしいおじさん」はへんたいですから、こんなへんたいをみかけたら、みなさんはすぐににげてください。

 そう。そのとおりです。このままでは、しょうじょはへんたいにえっちなことをされてしまいます。そんなことになったらたいへんです。さあ、みなさん、おおきなこえでおうえんしましょう。せーの、「しょうじょ、にげてー」

「そんなところに座っていたら風邪をひくよ」

 怪しいおじさんは外套を脱いで、少女に着せてあげました。

「あっ」

 少女はびっくりしました。怪しいおじさんは外套の下には何も着ていなかったのです。少女は気を失ってしまいました。

 ほーら、やっぱりへんたいでしたね。きをうしなったりしたら、ますますたいへんなことになってしまいます。みなさん、しょうじょのめをさましてあげましょう。せーの、「めをさましてー」「はやく、にげてー」

 少女が目を覚ますと、そこは自分の部屋でした。どうやらマンガを描いているうちに眠ってしまったようです。

 あっ、なんということでしょう。これはぜったいにやってはいけない「ゆめおち」というやつです。さあ、みなさん、さくしゃをばとうしましょう。せーの、「ゆめおち、さいてー」「さくしゃ、さいてー」「さくしゃ、しねー」

 少女はマンガの下描きを眺めて、溜め息をつきました。裸の男の子が抱き合ったりしている絵のところどころが白紙のままになっています。

「やっぱり実物を見なきゃ、描けないよ」

 少女は外套を着ると、夜の街へと出かけていきました。

 はい、かずしげさん。よむのをやめてください。このおはなしはもうよむひつようはありません。このとってもいけないしょうじょは「びーえる」という、えっちでへんたいなまんがをかいていることがわかりました。おまけに「がいとう」をきましたからへんたいです。さあ、みなさん、こんなひどいおはなしをかいたさくしゃをばとうしましょう。せーの、「びーえる、だめー」「さくしゃ、しねー」「さくしゃ、へんたーい」「へんたい、しねー」

 外套を着た少女が街角に立っていると、外套を着た怪しいおじさんがやってきました。

「どうしたんだい」

「どうしてもマンガが描けないんです」

「なんだ、そんなことか。実は僕もパロディが書けずに困っていたところなんだ」

 そう言うと、怪しいおじさんは外套を脱ぎすて、素早く少女の外套も脱がせました。全裸になった二人は抱き合いながら夜の街をさまよい歩きました。

 もういいです。もういいといってるでしょ。よむのをやめなさいっ。こらっ。まてっ。このうすらばかっ。どへんたいのきちがいめっ。「かずしげ、うすらばかー」「かずしげ、どへんたーい」「かずしげ、きちがーい」「どへんたいのきちがーい」「きちがい、にげてー」「うすらばか、にげてー」「きちがい、めをさませー」「ゆめおち、さいてー」「さくしゃ、ばかー」「うすらへんたい、しねー」

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このページは、かみ かずしげが2010年12月31日 15:38に書いたブログ記事です。

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