カテゴリ「伝説」の記事 (4)

 昔、昔、超昔、ある大陸に超巨大な国が繁栄していた。超巨大な国の科学技術は、時空や重力を支配できるほどにまで発達し、人々は超文明のもたらす超安楽な生活をおくっていた。そして、次第に何も考えなくなっていった。

 無知な民衆のおかげで、超巨大な国の大王は超巨大な権力をほしいままにして、超やりたい放題。そして、ついに不老不死の超技術を手に入れた。

 ところがあるとき、天変地異が起きて、その大陸は一夜にして海の底へと沈んで行った。こんなこともあろうかと、地下に超豪華なシェルターを作っておいた大王とその一族だけは難を逃れ、海底に沈んだ大陸の地下で暮らしていた。

 そして、時は流れ、昔、昔、普通の昔になったころ、地下宮殿の大王の部屋の天井からこんな声が聞こえて来た。

 「殿様の耳は地獄耳」

| コメント(0) | トラックバック(0)

前回のあらすじ)
 超昔、ある大陸で繁栄していた超文明社会は一夜にして海の底に没した。しかし不老不死の大王とその一族はシェルターの中で生き延びた。時が流れて普通の昔になったころ、地下宮殿の天井から、地上の声が聞こえてきた。

(主な登場人物)

ナー大王  地下宮殿の主
フー后 ナー大王の妻
サー妃 ナー大王の長女
マー王 サー妃の夫
カー王 ナー大王の長男
ワー姫 ナー大王の二女
ター王子 マー王の長男
ノー王 ナー大王の甥

 地下宮殿の中では、超発達した科学技術によって、地上から伝わって来た声の意味を既に解析していた。

 「どれもこれも支配者に対する悪口ばかりです」
 カー王の報告に、ナー大王が満足げに頷いた。
 「うむ。地上では圧政が続いておるようじゃな」
 「すぐに、やっつけに行きましょう」と、カー王が飛び出そうとするのをナー大王が一喝した。
 「馬鹿もんッ!」
 ナー大王がカー王に説教していると、サー妃がやって来た。
 「あんた、今度は何をやったの?」
 「姉さんには関係ないよ」
 「いきなり地上に出ようとしおったんじゃ」
 「まあ、何てことを」
 そこへ、フー后が助け船を出した。
 「もういいじゃありませんか。カー王も反省しているようですし」

 カー王が自室にさがって落ち込んでいると、妹のワー姫がなぐさめた。
 「きっと、お父さんはお兄ちゃんのことが心配だから怒ったのよ」

 ナー大王の招集で会議が始まった。
 「危なっかしくてカー王には任せられん。地上にはやはりマー王に行ってもらおう」
 「いやー、僕にはそんな大役は…」
 マー王が遠慮していると、マー王の幼い息子が言った。
 「パパは悪いやつをやっつけないですか?」
 マー王が言いよどんでいると、ナー大王はター王子に尋ねた。
 「ターちゃんは、地上の悪いやつをやっつけるのかい?」
 「ボクが行ってやっつけます」
 「そうか、そうか」
 ナー大王は目を細めた。

 しばらくすると、ナー大王の甥にあたるノー王がやってきた。
 「地上の声が伝わって来たんですって?」
 「もう知っておるのか」
 「さすがはノー王、耳が早いわね」
 「こういうのを地獄耳っていうんだよ」
 「地獄耳ですか。悪いやつは僕がやっつけます」
 「ちょっと、どうしたんだよ、ターちゃん」
 「カー王が余計なことを教えるからよ」

 「そう言えば、こんなこともありましたっけ…」
 フー后が言うと、みんながそのテーマに沿ったエピソードを披露しはじめた。何しろ不老不死で長年暮らしてきた一族だから話の種が尽きることはない。

 こうして、地上人の危機は回避されたのであった。

| コメント(0) | トラックバック(0)

前回のあらすじ
 サンダルをはいた猿が、風で飛ばされた禁太郎の腹掛けを取り戻した。(そもそも禁太郎って誰だよ?


 「どうもありがとう」
 猿から受け取った腹掛けを、禁太郎は身につけようとした。
 「あれっ? 玉がないぞ」
 禁太郎は腹掛けの裏側を調べている。
 「秘密のポケットに入れておいたのに…」
 縫い目の片側が半分以上ほどけていた。たぶん、さっき×××姫がもの×けをやろうとしたときに馬の角をひっかけたのだろう。(そもそも馬の角って何だよ?
 「何だかとっても嫌な予感がするな…」
 そう言って、禁太郎が坂の下に目を向けると、×××姫の後ろ姿が見えた。誰もいない空間に向かって、例の〔お祓い〕をしているようだ。(そもそも×××姫って誰? それと〔お祓い〕って何のこと?
 目をこらしてよく見ると、×××姫の足元には、禁太郎の“禁”の文字が浮かび上がる不思議な玉が…。
 「あーっ!」と禁太郎が叫び、猿は地面を蹴った。
 しかし、遅かった。×××姫が、でたらめに一振りすると、馬の角は見事に玉の芯をとらえた。玉は飛び、猿が追う。そして、玉の行く手には…。

 禁太郎が息急き切って駆けつけると、猿は池のほとりに佇んでいた。
 「いや、池というより、これは沼だね」
 すると、沼の底から、ぬーっと自由な女神が浮かび上がって来て、こう尋ねた。
 「あなたが落としたのは、この“金”の玉ですか、それともこっちの“禁”の玉ですか?」
 女神は、両手に乗せた玉を見せ、妖艶に微笑んでいる。(しつこいようだけど、そもそも自由な女神って誰?
 「いや、女神というより、これは河童だね」
 次回、「河童の姫と“金”の玉」に続く。

| コメント(0) | トラックバック(1)

 禁太郎は、腹掛けの中から取り出したものを河童の姫に見せました。
 「これが、俺の禁太郎飴だ」
 「まあ、すごいわ」
 「さあ、早くしゃぶってくれ」
 河童の姫は、禁太郎飴を口に含みました。
 「ああ、こんなの初めてよ」

――ここまで話したとき、×××姫は馬に蹴り倒された。

 「僕の角で、変な人形劇をしないでください」
 そこへ、顔を洗いに行っていた禁太郎が戻って来た。
 「えーっと。どこからやったらいいのかな?」
 「そうですね…」
 架空の台本のページをめくりながら、馬が答えた。
 「沼の中から河童の姫が現われるシーンからやり直しましょう」

 すると、沼の中から、河童の姫がひょっこりと顔を出して、こう言った。
 「あなたが落としたのは、この“金”の玉ですか、それともこっちの“禁”の玉ですか」
 顔の高さに掲げた両手には、まったく同じ大きさの透明な玉が握られている。
 「僕が落としたのは“禁”の玉です。そっちじゃなくて、こっちの…」
 禁太郎が“禁”の文字が浮かび上がっている方の玉を指さすと、河童の姫は妖艶な微笑みを浮かべて、こう言った。
 「あなたは正直な人間ですね。それにその髪型も気に入りました」
 そして、沼にもぐり、禁太郎のいるほとりに向かって泳いできた。
 沼から上がってきた河童の姫は、裸だった。さっきはここで不覚にも鼻血を流してしまった禁太郎は、今回はどうにか持ちこたえた。しかし、その次に、河童の姫に裸のまま抱きつかれてしまったとき、禁太郎の我慢は臨界点を突破した。

 「話が進まないから、そこはカットして、河童の姫が話をするシーンからいきましょう」
 馬が、架空の台本の十数ページ分をびりびりと破り捨てながら言った。角を取り上げられた×××姫は、人形に見立てた両手をくんずほぐれつさせ、大人しく遊んでいる。

――そして、河童の姫は次のように語った。

 今から三日前のことです。何か明るく光るものが見えたので、私は水面から顔を出して空を眺めていました。まだ昼間なのに星が見えるのは珍しいことです。これがほうき星というものだろうかと思いました。そのほうき星はだんだん大きくなって、この沼に近づいて来るように見えました。私は恐くなって家に帰りました。

 その夜、夢の中に妖精が出てきて、こう言いました。
 「あなたは今日、空から落ちてくる光を見ましたね」
 私が頭の中で「はい」と答えると、妖精には、それが聞こえたようでした。
 「明日の朝、大寺院へ行って『生命の樹』の根本をご覧なさい。あなたが見つけた光は、そこにあります」

 翌朝、私は妖精に言われた通りに、大寺院へ行って『生命の樹』の根本を見ました。すると、そこには、この不思議な玉が落ちていたのです。光にかざして見ると“金”の文字が浮かび上がりました。
 すると、私の後ろから長老の声がしました。
 「おや、姫じゃないか。何か困ったことでもあったのかな」
 私が不思議な玉を見せて、これまでの話をすると、長老はこう言いました。
 「それは『善の果』だな。姫が最初に見つけたのだから姫のものだ。それを持っていると何かいいことがあるかもしれないよ」

 そして、今日、これと同じような玉が空から降ってきたのです。

――ここまで話した河童の姫は、裸のまま再び禁太郎に抱きついた。

| コメント(2) | トラックバック(0)

カレンダー

<   2014年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

Twitter

Powered by Movable Type 4.261

このページについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち、カテゴリ「伝説」に属しているものが含まれています。

前のカテゴリは人形劇です。

次のカテゴリは余話です。

最近の記事はメインページで、過去の記事はアーカイブで閲覧できます。

最近のコメント