カテゴリ「ドラマ」の記事 (4)

 長い冬の間に、アリたちが溜め込んだ食糧がとうとう底をついてしまった。巣の外へ出てみると、キリギリスの死体がみつかった。キリギリスのおかげで、アリたちは飢え死にせずにすんだ。

 ホトトギスが鳴いていると、アリがこう言った。
 「働きもせず鳴いているだけなんて、いい身分だね」
 すると、ホトトギスはこう答えた。
 「いい身分だなんて、とんでもない。鳴かないと信長に殺されてしまうのです」

 ナイチンゲールが鳴いていると、ホトトギスがこう言った。
 「あなたも信長に殺されないように鳴いているのですか?」
 するとナイチンゲールはこう答えた。
 「殺されるなんて、とんでもない。私は王様が死なないように鳴いているんです」

 グンタイアリが通過すると、その後には王様の骨が残った。
 ナイチンゲールはどこかへ逃げたようだ。

 ナイチンゲールが鳴いていると、負傷兵がこう言った。
 「鳴いてばかりいないで、早く治療してくれ」
 するとナイチンゲールは負傷兵の傷口にくちばしを突っ込んで、弾丸を取り出した。

 負傷兵が泣いていると、上官がこう言った。
 「これくらいの傷で泣くんじゃない」
 すると負傷兵は上官の立てた作戦に首を突っ込んで、ダメ出しをした。

 グンタイアリが通過すると、その後には負傷兵と上官の骨が残った。
 ナイチンゲールはどこかへ逃げたようだ。

 ホトトギスが鳴いていると、ウグイスがこう言った。
 「鳴いてばかりいないで、卵を温めろよ」

 ウグイスが平安京で鳴いていると、エイリアンがやって来た。

 ウグイス嬢が泣いていた。たぶん事情があったのだろうが、マイクは切っておいた方がいいと思う。

 ホトトギスを鳴かせてやろうと、山猿があれこれと挑んでいた。

 アリがナシにたかっていた。これってアリ、それともナシ?

 アリクイとアリジゴクが睨み合っていた。双方、何もできず、勝負にならない。

 アリがこう言った。
 「さあ、立ち上がってかかって来い」

 ミツバチが毎週泣いていた。脚が二本足りないのが、たぶん悲しかったのだろう。

 ハチミツをクローバーにかけて食べる。これってアリ、それともナシ?

 カレーをナシにつけて食べる。これってアリ、それともナン?

 アリクイがバクにこう尋ねた。
 「夢なんか食って、うまいのか?」
 するとバクがこう答えた。
 「頼むから、蟻を食ってる夢を見るのはもうやめてくれ」

 その夜、アリクイは夢の中でバグを食っていた。
 結局、虫じゃないかとバクは思った。

 シロアリは、クロアリから届いた手紙をうっかり食べてしまった。
 クロアリは、「何か用?」と訪ねて来たシロアリをうっかり食べてしまった。
 すると、グンタイアリが通過して、後には何も残らなかった。

 オウムが富士山麓で鳴いていると、機動隊がやって来た。

 ナイチンゲールが泣いている横で、負傷兵がこう言った。
 「ごめん」
 たぶん情事があったのだろうが、マイクは切っておいた方がいいと思う。

 どうやっても鳴かないホトトギスに、山猿が困り果てていた。そういう無理強いは、もうよした方がいいと思う。

 ナイチンゲールがぐったりしている横で、アリクイが泣いていた。
 「嘘つき」
 たぶん何か行き違いがあったのだろうが、これ以上詳しいことは、もう語らない方がいいと思う。

 作者が弱音を吐いた。
 「この形式でひねったストーリを書くのは、もうこのへんが限界っす」

 キリギリスが鳴いていると、マツムシとスズムシとクツワムシとウマオイがやって来て、セッションが始まった。演奏が終わると夜が明けていた。
 「また来年もやろうな」
 そう言い合って、彼らは去って行った。


※スケジュールの都合により、「地底の大王と底なしの穴」の続編「地底一族の陰謀」は、明日の18:30に公開します。

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 ――その次の夜、語り姫は話の続きを語った。

 おお、幸多き王様、第一の鼠はこのように語ったのです。

 ある研究施設の実験で鼠に移植された私の脳は、来る日も来る日も繰り返される迷路の実験に飽き飽きしていました。(こんな単純な迷路なんて、ちっとも面白くない)と、私は思いました。すると、私の脳の中で、こんな声が聞こえました。
 (ねずみさん、ねずみさん)
 それは、私が迷路の中で餌の在りかを捜していると、ときどき私の脳に直接聞こえてくる声でした。
 (わたしがもっと楽しいところに連れて行ってあげるわ)
 (本当に?)
 (本当よ)
 その声の主は、頭の中で私のいる迷路の壁に穴を開け始めました。すると、現実の迷路の壁に穴が開きました。
 (一体どうなっているんだ、この世界は……)
 私は吃驚仰天して、気を失ってしまいました。

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放映前のシナリオ(想像)

老作家: えっ、じゃあ「犬をけしかける少女」は? 映画にもなったんだけど…。

土曜日の原作者(偽文士日碌

原作者: 〔…〕何しろ七瀬のお手伝いに行った先が作家の家で、この作家先生がぼろくそに書かれていた。「犬をけしかける少女」というのを書いて没になるなど、ひどいものだ。「先生のことではありません」と抗弁してきたものの、作家の権威を守るのは長老の義務である。撮り直しと決ったものの、どうしていいかわからなくなったらしいので「作家」を「脚本家」にすればいいと入れ知恵して、〔…〕

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 昔、とてもアホな娘がおりました。びっくりすると、じょじょじょーっとおもらしをしてしまいます。

「そうや、海の中ならバレへんやろ」

 その日から娘は海の中で暮らすことにしました。

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