カテゴリ「ことわざ」の記事 (3)

 昔、臆病者の兵士が二人いた。

 あるとき、偵察を命じられた二人は、草むらの中をおっかなびっくり進んでいた。

 いきなり前方から敵の兵士が現われた。驚いた二人は一目散に逃げ出した。一人は五十歩しか逃げなかったが、もう一人は百歩も逃げていた。五十歩逃げた兵士はそれを見て笑った。
 「百歩も逃げるなんて、おまえは臆病なやつだな」
 「おまえがのろまなだけだろ」
 「顔に鼻くそが付いてるやつに言われたくないな」
 「おまえだって、顔に目くそが付いてるくせに」
 そんなことを言い合っていると、五十歩逃げた兵士の足元に何かが転がって来た。
 「ん? 何だこれ?」
 手榴弾だ。どかーん。

 結論。もっと遠くまで逃げた方がよかった。

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 昔、天涯孤独の貧しい少女がいた。
 「薪はいかがですか~」
 山で拾って来た小枝をたくさん篭に入れて、寒風の吹く町なかで売り歩いている。道行く人々は見向きもせずに通り過ぎてゆく。
 「また親方に叱られる…」
 少女が大通りを渡ろうとしたとき、牛車が猛スピードで突っ込んで来た。少女は轢かれて死んでしまった。大晦日の夜の出来事だった。
 ある男が、道路に飛び散った小枝を拾い集めて、少女の篭の中に戻してやった。
 「こんなに売れ残っていたのか…。さぞかし無念だったろうな」
 すると、別の男が言った。
 「せっかくだから、これに火を点して供養してやろうじゃないか」
 話を聞いて可哀想に思った町の人々が集まってきた。みんなで近くの寺で弔ってやろうということになった。

 その寺の名は…、あっ、暴走牛車だ。どかーん。

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 昔、石投げの名人がいた。この男が石を投げると、狙った的を外すことがなく、百発百中だという。
 しかし、この石投げ名人の上をいく強敵が現われた。動かない的に当たるのは当たり前だ。二代目名人は、空を飛ぶ鳥に石を当てることができるという。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
 しかし、上には上があるもので、さらなる強者が現われた。三代目名人は、一つの石で二羽の鳥を落とすという。

 これを聞いた初代名人は心中穏やかではない。そこで、さっそく猛特訓に取り組んだ。
 手始めに、庭にいる鶏に石を投げつけてみた。すると見事に当たったが、これは何か違うなと思った。そこで、鶏に空を飛ぶ特訓をやらせることにしたが、これもやはり何かが違う。

 初代名人がボケたことをやってるうちに、二代目名人は、かの山に行って兎を追っていた。ぴょんぴょん飛び跳ねる兎めがけて石を投げつけると、兎は鵜と鷺に分裂して飛び立ったが、跳ね返った石が命中して、二羽とも落ちた。
 よし、次は二羽の兎に挑戦してやろう。これに成功すれば「一石二兎四鳥」だ。二代目名人は二兎を追い始めた。

 こうなると、三代目名人もうかうかとしていられない。大きな鳥に石を当てたぐらいではまだまだだ。小さな鳥に命中させてこそ名人というものだろう。そこで、小さなハチドリを狙ってやろうと考えた。
 ちょうど折りよく二羽のハチドリが飛んで来たので、小石を拾って投げつけた。小石は見事に命中したが、ハチドリだと思っていたのは実は蜂だった。怒った蜂は名人に向かって来て、プスリと刺した。
 あまりの痛さで名人が泣いていると、もう一匹が向かって来た。泣きっ面に蜂とはこのことだ。
 「もう刺さないでくれ!」
 名人が泣きながら頼むと、もう一匹はこう答えた。
 「安心しろ。同じときに二回刺されても死にはしないよ」
 「なんだ、そうだったのか」
 「それに、俺は蜂ではなくて虻だ」
 虻は名人を一刺しすると、どこかへ飛び去って行った。

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