交ぜ書き変換とは
漢直を使っていると、打てる漢字と打てない漢字の組み合わせ(熟語や連語など)を入力する場合にちょっとしたストレスを感じることがあります。全部打てない漢字だったら割り切って変換できますが、打てない漢字のために打てる漢字まで「よみ」を打ってから変換するのは釈然としないわけです。交ぜ書き変換とは、そんなときに使う機能です。
例えば、「変」という漢字の打ち方を知っていて、「異」「換」「無」の打ち方を知らない場合なら、ユーザー辞書に次のように登録して、漢字仮名交じりの「よみ」を打って変換できるようにできればいいのです。
(表1)ユーザー辞書(「よみ」の中に漢字を入れてみる)
よみ | 単語 | 品詞 |
---|---|---|
い変 | 異変 | 名詞 |
変かん | 変換 | 名詞サ変 |
む変かん | 無変換 | 名詞 |
ところが、Google日本語入力の辞書ツールでは「よみ」の中に漢字を入れることができません。そんなわけで、つい最近まで仕方がないとあきらめていたのですが、ふと思いついてあれこれ試してみて、うまくいく方法があることが分かりました。
漢字がNGでも英数記号はOK
以下、「変」のストロークは「ab」と設定しているものとします。
(表2)ユーザー辞書(「よみ」の中の漢字をストロークの英字にしてみる)
よみ | 単語 | 品詞 |
---|---|---|
いab | 異変 | 名詞 |
abかん | 変換 | 名詞サ変 |
むabかん | 無変換 | 名詞 |
ユーザー辞書には無事に登録できましたが、実際に入力してみると期待したようには変換できません。「ab」を打った瞬間に「変」になってしまって「よみ」の中に「ab」を入れることができないのです。
漢字の最終打鍵をシフトする
交ぜ書き変換のときだけ、漢字の最後のストロークをシフトすることにします。つまり、「aB」と打てば「変」にはならずに英字のまま「よみ」として使えるようにするわけです。
そのためには、まず「プロパティ」→「入力補助」の「シフトキーでの入力切替」をオフにします。これは、シフト打鍵をしたときに、ひらがなモードから英数モードに切り替わるのを防ぐためです。
次に、ローマ字テーブルに大文字と小文字を混ぜたダミーのストロークを追加します。これは、「シフトキーでの入力切替」をオフにすると大文字・小文字の違いが無視されてしまうので、それを防ぐためです。
(表3)ローマ字テーブル(大文字と小文字を混ぜたダミーを追加する)
入力 | 出力 |
---|---|
ab | 変 |
XxYyZz | XxYyZz |
最後に、ユーザー辞書の「よみ」の「ab」を「aB」に変更します。
(表4)ユーザー辞書(「よみ」の中のストロークの末尾をシフトしてみる)
よみ | 単語 | 品詞 |
---|---|---|
いaB | 異変 | 名詞 |
aBかん | 変換 | 名詞サ変 |
むaBかん | 無変換 | 名詞 |
これで、交ぜ書き変換が(一応)できるようになりました。漢字の最終打鍵をシフトするのは少し面倒ですが、打てる漢字を「よみ」に開いて打つよりは気分がいいと思います。
コメントする