「親指漢直」始めました。

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これまでの経緯

親指シフトのローマ字入力化

 そのようなわけで、仮名モードでは「。」と「.」の区別ができないようなので、ローマ字入力で打ち分けてはどうかと考えた。

 いつも使っている「DvorakJ(※1)に入っていた“NICOLA配列(無変換、SPACE).txt”も試してみたが、やはりどうも句読点がうまくいかない。(詳しいことはよく分からないが、句読点などのキーは、WindowsかIMEの内部で他のキーとは異なる扱いになっているような気がする)

 そこで、IMEのローマ字テーブルを白紙に戻して以下のエントリーを入れて試してみた。(このとき、Microsoft IMEには、入力に'a'~'z'以外を入れられないなどの制限があることが分かった。以下は全てGoogle日本語入力で試した結果だ)

(表1)Google日本語入力の「ローマ字テーブル」の例

入力出力
q
p
@
z
,
.
/

 このように設定しておけば、IMEの側で余計なことをされなくなるようだ。このやり方で、全打鍵パターンをローマ字として区別できるようにすればいいはずだ。

 試行錯誤の結果、以下のような設定内容になった。

〔前略〕

/* 文字キーを単独で入力 */
[
1|2|3|4|5|6|7|8|9|0|{-}|{^}|{\}|
q|w|e|r|t|y|u|i|o|p|{@}|{[}|
a|s|d|f|g|h|j|k|l|;|{:}|{]}|
z|x|c|v|b|n|m|,|.|/|ô{\}|
]


/* [無変換] + 文字キー */
-muhenkan[
ò1|ò2|ò3|ò4|ò5|ò6|ò7|ò8|ò9|ò0|ò{-}|ò{^}|ò{\}|
òq|òw|òe|òr|òt|òy|òu|òi|òo|òp|ò{@}|ò{[}|
òa|òs|òd|òf|òg|òh|òj|òk|òl|ò;|ò{:}|ò{]}|
òz|òx|òc|òv|òb|òn|òm|ò,|ò.|ò/|òô{\}|
{無変換}|
]


/* [space] + 文字キー */
-space[
ó1|ó2|ó3|ó4|ó5|ó6|ó7|ó8|ó9|ó0|ó{-}|ó{^}|ó{\}|
óq|ów|óe|ór|ót|óy|óu|ói|óo|óp|ó{@}|ó{[}|
óa|ós|ód|óf|óg|óh|ój|ók|ól|ó;|ó{:}|ó{]}|
óz|óx|óc|óv|ób|ón|óm|ó,|ó.|ó/|óô{\}|
{space}|
]

〔後略〕

 これを「日本語入力用配列」に入れて選択すると、同時打鍵したアルファベットの前に「ò」や「ó」がつく。この同時打鍵込みの情報をIMEに伝えることができるので、それぞれの文字列と文字の対応をローマ字テーブルで設定すればよい。

 次に、Google日本語入力用のローマ字テーブルを作る。

〔前略〕

1	1
2	2
3	3
4	4
5	5
6	6
7	7
8	8
9	9
0	0
-	-
^	^
\	¥
q	。
w	か
e	た
r	こ
t	さ
y	ら
u	ち
i	く
o	つ
p	,
@	、
[	゛
a	う
s	し
d	て
f	け
g	せ
h	は
j	と
k	き
l	い
;	ん
:	:
]	〃
z	.
x	ひ
c	す
v	ふ
b	へ
n	め
m	そ
,	ね
.	ほ
/	・
ô\	\
#
# 先頭の'ò'で右親指との同時打鍵を表す
#
ò1	?
ò2	/
ò3	~
ò4	「
ò5	」
〔中略〕
òn	ぷ
òm	ぞ
ò,	ぺ
ò.	ぼ
ò/	ゎ
òô\	_
#
# 先頭の'ó'で右親指との同時打鍵を表す
#
ó1	!
ó2	”
ó3	#
ó4	$
ó5	%
〔中略〕
ón	ぬ
óm	ゆ
ó,	む
ó.	わ
ó/	ぉ
óô\	●

 これを、Google日本語入力のローマ字テーブルにインポートする。(「ツール」アイコン→「プロパティ」→「一般」タブ→「キー設定」→「ローマ字テーブル」→「編集」→「編集」→「インポート...」)

 そして、「基本設定」の3項目を以下のように設定する。

(表2)Google日本語入力の「基本設定」
ローマ字入力・かな入力ローマ字入力
句読点,.
記号「」・

 これで、普通に(親指シフトで打って仮名漢字変換で)入力できる状態になった。

 今回はNICOLA-J用のローマ字テーブルを作ったが、他の仮名配列やローマ字入力にも応用できる。例えば、JIS仮名やAZIKなどの拡張、TRONカナ配列やM式などのエミュレーションにも使えるだろう。

 ここまでの内容は、大きな変更をすることはなさそうなので、“親指ローマ字化セット”として公開する。(興味のある方はダウンロードしてお試しください)

 このまま親指シフトだけを使っていただいても差支えはないけれども、一度、軽い気持ちで漢直も試してみてほしい。このやり方ならば、打鍵表にぎっしり並んだ漢字を見て挫折するような心配はない。

親指シフトの漢直化

 さて、いよいよ漢直化だ。漢直化といっても、何も難しいことはない。適当なユーザー辞書を作って単語登録していくだけのことだ。

(表3)単語登録例(修正前)
読み単語品詞
いいせ6か漢字名詞
く.7。直接名詞
んひめて入力名詞サ変

 ところが、「7。」と打つと「7.」に化けてしまう。普通は、数字の直後の「。」が「.」になるの便利なのだが、漢直のストロークの中の「。」が変わるのは困る。

 数字の後の「。」を「.」にするオプションがあれば無効にできるのだが、見当たらなかったので、漢直の「。」を全部クロスシフトの「ゐ」に変更した。少し面倒になるが違う漢字になるよりはいい。ついでに3ストロークの最初の2連打を同側シフトにしてみた。

(表4)単語登録例(修正後)
読み単語品詞
ょせ6か漢字名詞
く.7ゐ直接名詞
んひめて入力名詞サ変

 これで入力してみた結果は以下のとおり。

(表5)入力例
  変換前後の文字 備考
変換前
(親指シフト)
かんじ ちょくせつ にゅうりょく できます。 20文字
+9シフト
=29キー
変換前
(親指漢直)
ょせ6か く.7ゐ んひめて できます。 18文字
+5シフト
=23キー
変換後 漢字 直接 入力 できます。 12文字
=6漢字
+5仮名
+1記号

 「打鍵数」や「ストローク数」という用語には曖昧な点があるので、入力に使った文字キーとシフトキーの合計を入れてみた。(これなら誰が数えても同じになるだろう)

「親指漢直」用ユーザー辞書の作り方

 以下の例では「ユーザー辞書」にそのまま登録しているが、通常のユーザー辞書とは別に「漢直読み」用の辞書を作っておいた方がいい。(「ツール」アイコン→「辞書ツール」→「管理」→「辞書を作成...」)

  1. 漢直で打ちたい単語をコピーして「漢索窓」(※2)にペーストをダブルクリックまたは右クリックする(以下は「入力」を例にする)
    図1:「漢索窓」で「入力」の打ち方を表示 (赤:1打目、緑:2打目)

  2. 単語を選択した状態で、Google日本語入力の「ツール」から「単語登録」を開く
    図2:「入力」を単語登録(修正前)

  3. 「漢索窓」に表示されている打ち方を見ながら「よみ」と「品詞」を修正して「OK」をクリック
    図3:「入力」を単語登録(修正後)

 こんな感じで、少しづつ漢字を登録していけば、親指シフト入力がさらに楽になるだろうと思う。

これからの予定

 実は、手作業で登録するのは面倒なので、Perlの一括処理で作ったデータをユーザー辞書にインポートして試している。

 これは「仮名漢直」のためにつくったPerlスクリプトで、基本語彙の入った著作権フリーの辞書テキストの「読み」を「漢字読み」に差し替えるというものだ。むやみに「漢直読み」で変換されるのを抑えるために、IMEに合わせて置換した「品詞」も出力するようにしてある。

 ただ、この辞書は単純に機械的な処理で作ったので、改善すべき点がいくつもある。

  1. 通常の「読み」と一致する「漢直読み」の単語があると、変な漢字に変換されてしまう
  2. 通常の「読み」よりも「漢直読み」の方が長くなる単語が入っているのは無駄だ
  3. 同音異字の単語の「漢直読み」が登録されているとは限らない

 1. と 2. は機械的に処理できそうだが、3. は使いながら手動で登録していく方がいいかもしれない。

 親指シフトと漢直が併用できることは分かったので、今後はなるべく親指シフトで入力しながら、辞書の内容を調整していこうと思う。


(※1)

  • 「DvarakJ」は、キー配列を自由にカスタマイズできるWindows用のキー配列変更ソフト。
  • Dvorak配列以外の多様な配列に対応していて、日本語入力用の設定の中には親指シフト用のものがいくつか入っている。

(※2)

  • 「漢索窓」は、漢字の打ち方を図示する補助ソフト。Windows用の漢直入力ソフト「漢直Win」に同梱されている。
  • 「漢直Win」の設定ファイル‘kanchoku.ini”を共用しているが、「漢索窓」だけを単体で使うこともできる。
  • T-code用の“t.tbl”、TUT-code用の“tut.tbl”など各種漢直用の設定テーブルが入っている。
  • 説明ではG-Codeを使っているけれども、どの漢直でも同じやり方でユーザー辞書への登録ができる。

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このページは、m(as)mが2015年8月 2日 09:00に書いたブログ記事です。

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