漢字直接入力
漢直とは何か? bookmark
漢直とは、漢字をキーボードから直接入力する方法のことです。直接入力といっても、 区点コードで打ったり文字コード表から選んだりするわけではありません。ちゃんと打ちやすいように工夫されています。
漢直の種類 bookmark
漢直には、いろんな種類があります。覚えやすさと打ちやすさのどちらに重点を置いている(ように見える)かで分けてみました。
- 覚えやすさを優先したもの
- 連想2ストローク方式
仮名配列をベースにしている
漢字の入力方法は、2文字の仮名からの連想によってコード化されている
日立やリコーのワープロに搭載されていたらしい(詳細は不明)
「LTWORD」というローマ字入力に基づいた独自の方式を開発した人がいる
- 「風」
漢字の読みをシフトとして用いる「超多段シフト」により、仮想的な鍵盤で直接入力する
異なる読みを使っても同じ漢字は常に同じ位置のキーに割り当てられているのが特徴
- 「にこにこ」
基本的な筆画を割り当てたキーを用いて漢字を入力する方式(シフト打鍵を用いる)
手書き感覚で、ほぼ筆順通りに打鍵できるのが特徴
- 「す」または「き」
2ストローク入力(シフト打鍵を用いる)
見出しの文字(1打鍵目)と目的の文字(2打鍵目)を仮想鍵盤に表示する
仮名は子音と母音の組み合わせで入力(平仮名と片仮名を区別する)
漢字はJISコード順に配置されているのが特徴
- 漢触こーど
仮名は1ストローク入力(親指シフト等を使用)
漢字は2ストローク入力(第1打鍵をスペースでシフトする)
漢字は“代表読み”に基づいて規則的に割り当ててある
2ストロークのパターンに3600字の漢字が割り当て可能
- 打ちやすさを優先したもの
- ラインプット
2ストローク入力
仮名の入力はローマ字式で、左右交互打鍵
連想式との記述もあるが、配列についての詳細は不明
- T-Code
無想式2ストローク入力
漢字・仮名などを頻度順に割り当てている(平仮名と片仮名を区別する)
- TUT-Code
無想式2(~4)ストローク入力
仮名の入力方法に規則性がある(平仮名と片仮名を区別しない)
高頻度の漢字については、2字続きの打ちやすさも考慮してある
- 超絶技巧入力
無想式2(~3)ストローク入力
仮名の入力方法に規則性がある(平仮名と片仮名を区別しない)
記憶の混乱を防ぐように考慮されている
- G-Code
無想式2(~3)ストローク入力
仮名の入力方法に規則性がある(平仮名と片仮名を区別する)
熟語補完機能を想定して設計されている
漢直ができる仮名漢 bookmark
- 「Google IME」(Google)
ローマ字定義をカスタマイズすることで漢直が可能になるそうです。
以下の引用文は、2007年4月3日に書いた内容です。
〔引用始め〕
十年ほど前、漢直もできる仮名漢ソフトが次々に販売されましたが、残念ながら今では販売・サポートが終了しています。今となってはあまり有益な情報ではないかもしれませんが、当時の日本語入力ソフトの状況を知るための記録として、そのまま残しておきます。無効になったリンクはコメントアウトし、適宜〔コメント〕を付けました。
-「かんな for Windows 95」(NEC)
かなり以前から漢直ユーザの間で話題になっていた「かんな」のWindows 95版です。最新版がPC-VANのかんなコーナー(jCANNA)と、「かんな」のページからダウンロードできます。98年1月14日に正式版が公開されました。
〔その後、2001年に販売終了となりました〕
-「WXG」(エー・アイ・ソフト)
ローマ字カスタマイズと単漢字変換を用いて疑似的な漢直ができていた「WX2」が、さらに強力になって、本当の漢直が可能になりました。
最新バージョン(Ver.4.03)はローマ字辞書の容量が拡張されたため、多くの漢字を定義できるようになりました。〔その後、2005年3月31日に販売終了となりました〕-「松茸 for Windows」(管理工学研究所)
DOS版のときから漢直との相性がよかった「松茸」のWindows版です。最新のVer 4.1が、98年11月17日にシェアウェア(試用期間90日)として公開されました。これには漢直用のローマ字設定ファイル(「超絶技巧入力?」と「G-Code」)が添付されています。
ベクターのWindows用松茸(ベンダー提供ソフト/管理工学研究所)から入手できます。〔その後、提供終了となりました〕
-「Wnn98」(オムロンソフトウェア)
1999年4月発売の「Wnn98 for Windows95/98/NT4.0 R3.0」でも、漢直できます(T-codeの定義データが添付されています)。
〔その後、2005年9月30日に販売終了となりました〕
-「VJE-Delta」(VACS)
2001年4月中旬発売予定の「VJE-Delta Ver.4.0」でも、漢直できます(TUT-codeの定義データが添付されています)。〔2001年〕現在、ベータテスト版が公開されています。
〔その後、2005年7月14日に販売終了となりました〕これらの仮名漢ソフトを使うと、ローマ字設定の中に漢字の打ち方を定義することで、簡単に漢直が実現できました。各種の設定データが、仮名漢ソフトに添付されたりWeb上で公開されたりしていました。
この十年間(Windows 95/98/Meを搭載したパソコンが一般に普及した期間とほぼ一致しています)をきっかけにして、漢直もそれなりに普及しはじめています。
〔引用終り〕
ローマ字入力に漢直を乗せる試み bookmark
何もそこまで凝らなくてもよいという人には、ローマ字入力に使わないキーの組み合わせを漢直に利用する手もあります。あまり多くの漢字を定義することはできませんが、それでも十分役に立つでしょう。河合宏昌さんの「普通のローマ字入力に漢直を載せる」を参照してください。
また、須藤玲司さんの日記に詳しく紹介されているような、日本語の特性に合わせて開発された2ストローク系の仮名配列をベースにする方法も考えられます。仮名の入力に使うキーの組み合わせが少ないほど、多くの漢字を割り当てられることになります。
仮名配列に漢直を乗せる試み bookmark
1ストローク系の仮名配列に漢直を乗せるのはかなり難しそうです。どのキーにも仮名が割り当てられているため、2ストローク入力に使える組み合わせがありません。
そのため、何打鍵かした後で漢字に変換する“擬似2ストローク入力”をするか、通常の入力には用いないキー(シフトキーを含む)の組み合わせを利用することになりますが、いずれの場合も漢直本来のメリットが十分に発揮されないように思えます。
なぜ漢直を使うのか? bookmark
私が漢直を使うのは、自分の意図した通りの漢字が少ない労力で確実に入力できるからです。
漢直を使うと、構文や意味、過去の入力状況などに依存することなく、一定の打鍵で常に同じ漢字が入力できるので、いつ、どこで、どの漢字を入力するのかを自分の手でコントロールできます。
これが漢直の自由なところです。ただし、この自由を手に入れるためには、1000文字程度の漢字の打ち方を身に付けなくてはなりません。
どのくらい大変か bookmark
つまり漢直は、自由な分だけ覚えるのが大変だということになります。でも、どのくらい大変なのか見当が付きますか? 漢直をやったことのない人は、実際よりもうんと大変だと思い込むかもしれません。
そこで、ローマ字入力や仮名入力と比較して、習得にかかる練習時間を割り出しました。(注:ここでは、キートップや配列図を見ずに目的の文字を正しく打てるようになったら「習得した」とみなすことにします。なお、漢直は2ストローク×1000文字としました)
| 理屈抜きに覚える | 習得までの | ||
| キーの数 | 練習量 | ||
| ローマ字入力 | 約20 | 1 | |
| 仮名入力 | 約50 | 2.5 | |
| 漢字直接入力 | 約2000 | 100 |
この数字は、あまり厳密なものではありませんが、だいたいの目安にはなると思います。
理屈抜きに覚えるキーの数と習得に要する時間が比例するというのは、あくまでも仮説です。この仮説が正しければ、ローマ字入力の習得に3時間かかる人は、300時間で1000文字の直接入力が習得できることになります(1日1時間の練習で10か月なら、まあ、妥当なところでしょう)。
なお、「習得」についての私論を「タイピングと入力方式」のページにまとめましたので、御覧ください。
練習時間の短縮と分散 bookmark
「1日1時間の練習を10か月も続けるなんて…」と思った方には、練習時間を大幅に短縮する「増田式」をお勧めします。また、継続的な練習が困難な(三日坊主の)方は、通常の入力に練習を織り込む方法も試してみて下さい。
このような練習時間の短縮と分散に役立つ「漢ナビ」という補助ソフトを作りました。練習中はもちろん日頃の入力中にも打鍵図が表示されるので、練習を続ける強い意志を持たなくても、気楽に練習できます。